RECRUITING CONCEPT

採用コンセプト

選考を、勘や印象から“再現できる設計”へ。入社後のパフォーマンスを予見する、RDIの選考設計の考え方をご紹介します。

RDIの採用支援領域は、大きく2つ。選考の精度の向上と、選考における応募者の惹きつけの設計です。

01

なぜ、選考の精度が重要なのか。

選考の精度が低いと、本来合格とすべき応募者を不合格にしてしまい、本来不合格とすべき応募者を合格にしてしまうため、正しく評価した場合との「合否の入れ替わり」が起きます。

本来合格の人を落とすことも避けたいですが、何より避けたいのは、本来不合格の人を合格にしてしまうことです。

また、精度が低いことがまかり通ると副作用が生まれます。「見極めの精度が低いのだから、自分を多少偽ったり誇張表現をしたり印象操作をしたりして、評価が高くなるような一過性の見せ方をしよう」という動機が応募者側に生まれてしまいます。企業も、少なからず応募者がこのような動機づけを持っていることを把握しているので、選考の現場ではどうしてもお互いに信用が生まれにくく、正々堂々とした場になりにくい実情があります。

では、選考の精度が高いことが当たり前になると何が起こるでしょうか。精度が高いと、応募者は偽っても意味がないため、本来の自分自身を見せる可能性が高くなります。企業側もうがった見方をすることがなくなり、選考が正々堂々とした場になりやすくなります。

RDIは、選考の精度を高めることで、選考の場をクリーンなものにしたいと考えています。

合格基準に達している者 合格基準に達していない者 合格グループ この2名ずつが入れ替わっている 不合格グループ 本来合格であった応募者を不合格とすることも避けたいが、 何より避けたいのは本来不合格の人を合格とすること

RDIの選考精度シミュレーターを用いて、選考の精度と合否の入れ替わりをシミュレーションしてみました。

  • 100人の応募者を通過率60%で3回選考
    →22名が合格
  • 3つの評価要素を5段階で評価し、合計点で合否判断
  • 評価精度:44%(*)
  • 誤りの度合い:普通

(*)Schmidt & Hunter (1998): 採用手法の妥当性メタ分析の構造化面接の妥当性44%を使用

上記設定で100回シミュレーションを試行したところ、以下の結果です。

  • 本来不合格なのに合格した人数 6.2人
  • 明らかな合格なのに不合格となった人数 5.2人

この結果で入れ替わりが多いと見るか少ないと見るか意見が分かれるところですが、22人の合格者のうち6.2人が本来不合格相当であるのは、選考結果としては大きな痛手だと考えます。

評価精度を60%、誤りの度合いを低い、に変更して再度シミュレーションをすると、以下の結果です。

  • 本来不合格なのに合格した人数 3.8人
  • 明らかな合格なのに不合格となった人数 3.8人

入れ替わりが明らかに改善していることがわかります。精度を100%にすることは不可能ですが、精度の改善を試みることで入れ替わりの程度を抑え、人材の質の確保に貢献していることは明らかです。

合格者22人のうち、入れ替わった人数 100回試行の平均 評価精度 44% / 誤りの度合い:普通 本来不合格なのに合格 6.2人 合格者の28% 明らかな合格なのに不合格 5.2人 合格者の24% 精度を上げる 評価精度 60% / 誤りの度合い:低い 本来不合格なのに合格 3.8人 合格者の17% 明らかな合格なのに不合格 3.8人 合格者の17% 精度の改善で、入れ替わりは明らかに減る
評価精度44%(上)と60%(下)の対比。精度を上げると、最も避けたい「本来不合格なのに合格」が6.2人→3.8人に減る。

※「明らかな合格」は本来の実力が合格ライン相当を大きく上回る人を指すため、両者の人数は一致しません。

RDIツール選考精度シミュレーター

選考精度シミュレーターで、評価の精度が下がると合否がどれだけ入れ替わるかを体験してみる。

02

どのようにして、選考の精度を高めるのか。

選考の精度は、次の2つの観点を設計することで高まります。
観点1「何の能力を評価するか」と、観点2「正しく評価できているか」です。

選考 評価者 能力 A′ 能力 B′ 能力 C′ 応募者の評価された能力 応募者 能力 A 能力 B 能力 C 応募者の真の能力 評価手法 時間軸 成長可能性 (育成) 活躍社員 能力 A+ 能力 B+ 能力 C 能力 D 入社後の活躍に必要な能力 観点2 正しく評価できているか 観点1 何の能力を評価するか

観点1 何の能力を評価するか

営業担当を採用したい場合を想像してください。何の能力を評価するかを考えたとき、「営業のうまさ(実力)」を思い浮かべた人は多いでしょう。しかし、果たしてそれはどのような能力でしょうか。

中途採用の場合、前職の営業成績は一定の評価になり得ると思います。しかし、たとえば、ベンチャー企業の営業と大企業の営業ではやり方も担当する範囲もまったく異なるはずです。業界によって営業スタイルが違う可能性もあります。

それでも、前職の成績を鵜呑みにして評価してもいいのでしょうか。「何の能力を評価するかが重要」とわかっていても、その能力を決定することは容易ではありません。加えて考えておく必要があるのが、「入社後のパフォーマンス」における「入社後」とはいつくらいまでを指すのかという点です。

たとえば、保険の営業担当を採用するとして、入社後すぐに活躍してほしいのであれば、選考時点で保険に関する知識は必須でしょう。一方、特に新卒採用の場合、入社後すぐに活躍してほしいと考えている企業は少なく、新卒は入社後の研修期間やOJTを経て、ある程度時間をかけて活躍人材へと育っていきます。こうした時間軸を考えると、選考時点では何の能力を評価すればいいでしょうか。

保険の営業担当の場合、保険の知識は入社後に身につければいいので、選考時点では不問ということも考えられます。時間軸とそれに伴う成長可能性から逆算して検討する必要があります。

選考において「何の能力を評価するか」は非常に重要な観点です。評価する能力を誤ると、選考そのものが意味のないものになってしまいます。意味がないとはすなわち、選考をくじ引きで決めても結果に影響がないということです。

観点2 正しく評価できているか

100メートル走のタイムを例に説明します。100メートル走のタイムを何の機器も用いずに頭の中でカウントして測るのと、ストップウォッチなどを使用して測るのとでは、後者のほうがより正確に測定できることは誰でもわかります。

次に、選考の場において、実際に100メートルを走ってもらうテストを実施して測定するのと、過去の記録の自己申告タイムを結果として用いるのではどちらがより正確でしょうか。選考当日のテストは、もしかしたら実力を出しきれない可能性があります。一方、自己申告は、(いじわるな見方ですが)応募者が虚偽の報告をしている可能性を否定できません。

では、営業担当を採用するために面接を実施しているケースで「営業のうまさ(実力)」をどのように評価すればいいでしょうか。面接の場で営業そのものをしてもらうわけにはいきませんから、別の方法で「入社後の営業のうまさ(実力)」を評価する必要があります。その場合、どの程度、正確に評価できるでしょうか。

選考では、何らかの評価手法を介して応募者の能力を評価しています。「観点1 何の能力を評価するか」が適切であっても、能力評価の正確性を欠くと、「入社後のパフォーマンスの予見」は失敗に終わります。

03

観点1「何の能力を評価するか」の設計

「何の能力を評価するか」を設計するには、採用基準を4つのステップで定義します。
ここでは、各ステップで定義する言葉の説明をします。

ステップ1 求める人材像

求める人材像は、入社後の活躍に必要な能力を総じて指した採用活動特有の表現です。「求める人物像」や「活躍できる人物像」と呼ばれることもあります。全社員に共通して求めている能力が表現されていて、多くの場合、特定の職種のみに関するスキルなどは含みません。

ステップ2 評価要素

評価要素は、選考時点で評価の対象となる能力を指します。一般的に求める人材像から逆算したり、特定の職種の要件や最低限備えておいてほしい能力を付け加えたりして作成します。

評価要素は採用要件とほぼ同義ですが、採用要件は比較的応募者側に寄り添った言葉であるのに対して、評価要素は企業側の言葉です。ここでは評価要素で統一します。

求める人材像作成ツールを使用して、自分で求める人材像と評価要素を作ってみることも可能です。

ステップ3 評価基準

評価基準は、各評価要素の判定の段階を指します。本来、人の能力そのものに得点や段階はついていませんが、選考という合否を判定するプロセスにおいて採用活動の関係者と情報共有するためには、能力を得点や段階で示す必要があります。

ステップ4 採用基準

採用基準は、評価基準に則って評価した結果、どのような評価の応募者を自社に迎え入れるかを示した指標を指します。選考の評価表には多くの場合、「総合評価」や「総合判定」の欄があると思います。採用基準は、どのような評価であれば、どのような総合評価をつけるのかという考え方に相当するものです。

評価基準がいったん定まれば、あとは基準に則ったデジタルな判断が求められます。一方、採用基準はよりアナログなもので、企業の意思が反映されます。どのような総合評価をつけるのか、言い換えれば誰を合格にして誰を不合格にするのか。ここに企業の採用基準の考え方が表れます。

時間軸 応募者 能力 A 能力 B 能力 C 活躍社員 能力 A+ 能力 B+ 能力 C 能力 D 成長可能性 (育成) ステップ2評価要素選考時点の評価対象能力 ステップ1求める人材像入社後の活躍に必要な能力 能力C 12345 ステップ3評価基準各評価要素の判定の段階 ステップ4採用基準自社の合格の指標 人事担当者 うちの会社で欲しい人材は・各能力が3以上・少なくとも1つの能力は5
RDIツール求める人材像作成ツール

求める人材像作成ツールを使用して自分で求める人材像と評価要素を作ってみる。

SERVICE 01

求める人材像から評価基準まで、選考の全体を体系的に設計します。

04

観点2「正しく評価できているか」の設計

「正しく評価できているか」は、3つの方向から設計します。

4-1 評価手法の選択

能力によって適した評価手法が異なります。一般的には面接は最も多く行われている選考手法ですが、面接には誤認の落とし穴が存在しているため、面接を盲目的に信頼するのは評価精度の低下につながります。

例えば、多くの行動特性やリーダーシップと呼ばれる類の能力は、面接よりも行動観察手法の方が適しています。また、テストを実施するのであれば、そのテストで何を測定しようとしているのか、そしてその測定対象の能力は自社での活躍と関係があるのか(観点1「何の能力を評価するか」)などを精査しておく必要があります。

また、面接と行動観察では同じ能力を評価しようと思っても、同じ評価基準ではうまくいかないこともあります。なぜなら、面接では応募者は「うまくできなかった」というエピソードは話さないため、行動特性において「できていない」に相当する評価はつきにくいですが、行動観察では「できていない」ことが十分に起こりうるためです。面接と行動観察の評価基準を同じにすると、面接では最低評価はつかないのに、行動観察では最低評価がつく、といった違いが発生します。ただし、この違いは最初から把握しておけば、採用基準において吸収することが可能です。

分類 能力例 説明 適した評価手法
専門力 専門知識・専門スキル 職種や役割に応じて専門的に必要となる知識やスキルで、活躍に直結する能力。 専門のテスト、作業見本、実技試験、口頭試問
行動特性 対人・対自己・対課題基礎力 職種や役割に関係なく、どのような仕事であっても共通して必要になる行動する力で、活躍に事後的に効いてくる能力。 行動観察
面接(間接評価)では誤認の落とし穴がある
思考力 論理的思考・直感 行動特性の中の対課題にも含まれている概念だが、考えることに特化した部分だけを切り出したもの。職種や役割によっては活躍に直結する能力。 行動観察
面接(直接評価)
感情的傾向 自己効力感・意欲 人の気持ちに相当するもので、変化することが当たり前で上がったり下がったり、現れたり消えたりする。活躍に必要な能力を発露するためのドライブとなる。メンテナンスが必要。 選考で測定することにあまり意味がない
価値観 自律独立志向・安定志向 何を大切にしているか、何を目指しているか、という信念や心の奥底にある想いの源泉のようなもの。仕事や仕事を含めたキャリアの選択の根拠になりうる。 専門のテスト
面接では誤認が発生する
性格 外向性・誠実性 物事に対する考え方、感じ方などの源泉となる特徴。良い/悪い、高い/低いで捉えるのではなく、その人らしさを表す。 専門のテスト
面接では誤認が発生する
知的能力 言語的処理力・数的処理力 言語を理解して表現したり、数字を処理したり、推論をしたりする能力全般。知的な活動に関わる広範な能力。 専門のテスト
能力と適した評価手法の関係

4-2 各評価手法の詳細設計

面接を実施することになった場合、面接において評価する対象の評価要素を決定し、各評価要素をどのような手順で評価していくかを設計しておく必要があります。また、あわせて運用面の整備も必要です。

ただし、4-1で述べたように、面接には誤認の落とし穴があります。

  • 誤認の落とし穴① 直接評価に引っ張られる問題
  • 誤認の落とし穴② 場の難易度無視問題
  • 誤認の落とし穴③ 無い袖は振れない問題

面接は万能ではありません。そのことを理解したうえで、では面接でどのように評価をしていくか、という確かな設計が必要です。

面接の誤認の落とし穴説明
誤認の落とし穴①
直接評価に引っ張られる問題
面接には、面接の場面で直接観察して評価ができる直接評価(話がわかりやすいか、など)と、応募者のエピソードの内容から間接的に評価ができる間接評価(主体性、巻き込み力など)があります。面接では、どうしても直接評価が高い応募者が「優秀」と判断されがちです。
誤認の落とし穴②
場の難易度無視問題
能力を発揮できるかどうかには「場の難易度」が大きく影響します。簡単な場では主体性を発揮できるが、複雑な場では主体性が発揮できない、というのはよくある話です。面接の間接評価では、場の難易度を無視して評価をしていることが散見されます。
誤認の落とし穴③
無い袖は振れない問題
落とし穴②をクリアするために、難しい場面におけるエピソードを確認しようとしたとします。ここで最後の落とし穴③が立ちはだかります。応募者は、こちらが期待しているような難易度におけるエピソードを持ち合わせていない可能性が高いためです。
面接の誤認の落とし穴

上記の誤認の落とし穴をクリアできるのが、行動観察による評価です。

グループディスカッションなどの形態の選択に加えて、難易度を意識してテーマ設定をする必要があります。単純なテーマでグループディスカッションをしている企業がありますが、本当の仕事において、材料もなしにフリーでディスカッションをする機会がどの程度あるか、ディスカッションでのパフォーマンスは本当に仕事のパフォーマンスに関係があるか、ということを踏まえなくてはいけません。仕事とまったく同じ状況は作れませんが、抽象度を高めた「高難易度の場」を作り出し、「難しい場面でも行動を発露し、目的達成に貢献できるか」について行動観察することで評価の精度を高めることにつながります。

行動観察の場としては、グループワークのほか、より難易度を高められるビジネスシミュレーションがあります。ビジネスシミュレーションは、RDIツールのモギセン↗を用いて、Web上で実施することも可能です。

また、各評価手法においては、応募者を惹きつけることも意識する必要があります。この点は05 惹きつけ施策の設計で取り上げます。

面接の誤認の落とし穴行動観察で落とし穴を回避できる理由
誤認の落とし穴①
直接評価に引っ張られる問題
行動観察手法では、すべての評価を直接観察で行うため、間接評価はありません。
誤認の落とし穴②
場の難易度無視問題
行動観察をする場であるグループワークなどのテーマは人事側が設定するため、難易度のコントロールを人事が設定できます。
誤認の落とし穴③
無い袖は振れない問題
落とし穴①②が塞がれているため、落とし穴③はケアする必要がありません。
行動観察手法で落とし穴を回避できる理由

4-3 評価者の遂行レベルの向上

評価者の遂行レベルは、面接官トレーニングなどの研修のみで向上するものではありません。

面接官トレーニングは大事なのですが、選考の設計が存在しなければ、いくらトレーニングしても最終的に評価はバラバラになります。

一方で、詳細な設計をしたとしても、面接官が意図通りに質問や評価をしてくれてなかったら設計の意味がありません。面接という場はブラックボックスになりやすく、自由度も高いため、面接官が勝手な質問をすることが多く発生します。そういう意味で、評価者の遂行レベルをいかに高めるか、というのは重要な論点です。

評価要素とその評価方法について説明をしておかないと、多くの面接官は応募者の合否を「話がわかりやすいか」という観点に引っ張られて評価をします(誤認の落とし穴①)。「話がわかりやすいか」は重要な能力ではありますが、評価要素はそれだけではないはずです。質問スキル、評価スキル、惹きつけスキルを学び、遂行レベルを向上させることが重要です。

まずは、面接設計書を作成し、設計書の意図と運用などについて説明をする場が面接官トレーニングである、と捉えることが重要です。ロールプレイを実施するかどうかなどは、そのうえで検討していけばよいでしょう。

  1. 自社の求める人材像と評価要素
  2. 選考プロセス全体像
  3. 面接の目的と役割
  4. 面接の流れ
  5. 面接の構造(直接評価と間接評価)
  6. 評価の考え方(場の難易度、評価基準)
  7. 総合評価(採用基準)
  8. 志望動機の取り扱い
  9. 深掘り質問による質問の進め方
  10. 応募者の惹きつけ
  11. 面接官として知っておくべきこと(コンプライアンスなど)
面接設計書の目次例
RDIツールモギセン

対戦型ビジネスシミュレーションを体験する。

SERVICE 02

貴社の仕事に合わせた対戦型ビジネスシミュレーションを開発します。

SERVICE 03

評価誤認の落とし穴を踏まえ、質問の手順から評価までを設計します。

SERVICE 04

行動観察で評価するためのテーマ設定、評価の手順を設計します。

SERVICE 05

面接官の質問・評価・惹きつけのスキルを高め、選考の精度を向上させます。

05

惹きつけ施策の設計

選考の精度を高め、応募者の能力を正確に測定できたとしても、応募者が自社を選ばず、他社を選んでしまったら採用できません。選考という文脈で企業は応募者を選んでいますが、同時に応募者も入社する企業を選んでいます。

RDIが実施した新卒採用における企業A社の内定者・辞退者調査によると、面接官からA社に関する惹きつけの話題があった応募者は内定を受諾する確率が高まることがわかっています。

この調査はA社の新卒採用における内定受諾者(有効回答数678件)と内定・選考中辞退者(有効回答数141件)をもとにした大規模調査です。図に調査フレームを示します。大まかに捉えれば、A社の採用広報への接触やA社の採用選考への接触が、A社の認知にどのようにつながり(ソフトアウトカム)、最終的に内定受諾・辞退行動にどのような影響があるか(ハードアウトカム)を調べています。

この調査で明らかになった興味深い点として、受ける動機づけと決める動機づけは異なるところからもたらされていることが挙げられます。採用広報に接触し、A社の理解が深まった応募者は、選考前の志望順位が高まっていました。ところが、採用広報でいくらA社の理解が深まっても、それが内定受諾行動にはあまり結びついていなかったのです。

ここから推測されることは、採用広報は当該企業を受ける(エントリーする)ことには効果がありますが、いざ内定を複数社獲得した場合にどこかの企業に決めるための動機づけとしては効果があまりないということです。では、内定受諾に効果があるのはどのような施策なのでしょうか。それが面接官による「選考中広報」です。

同調査においては、「A社の仕事内容への期待」「A社の仕事を通じた自身の成長への期待」(ソフトアウトカム)が高いほど内定受諾(ハードアウトカム)の確率が高まることがわかっています。このソフトアウトカムの向上に最も効果があったのが、面接官からのさまざまな惹きつけに関する話題です。

たとえば、「面接官からA社全体の話」「面接官からA社の仕事の話」「面接官からA社入社後の希望の具現化の話」などが挙げられます。逆に、面接官に対して高圧的な印象などを持った場合は内定受諾にマイナスの影響があることもわかっています。

ここからわかることは、面接において意図的に「惹きつけ」に関する時間を設け、面接官から自社に関する話題を出すことで、複数の内定を獲得した応募者でも自社に決めてくれる確率が高まるということです。

RDIは、こうした調査結果に基づき、どの選考段階で・誰が・何を話すかという惹きつけの設計を、面接設計や面接官トレーニングとあわせて支援しています。

本人特性 ・大学群 ・男女 ・文理 など 採用広報への接触 ・ウェブサイトやSNSへの接触 ・イベントへの接触 ・OB/OGとの接触 など 採用広報でのA社理解 ・広報を通じたA社理解 ・広報を通じたA社共感 など 採用選考への接触 ・面接官の印象 ・面接官から仕事の話 ・面接官から希望の具現化の話 など ソフトアウトカム A社認知 ・仕事への期待 ・成長への期待 など ハードアウトカム 内定受諾 ・内定受諾/辞退
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